コラム
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作成日:2018/02/01
いつのための仕事か



 新聞やテレビ等のマスコミやネット上で「働き方改革」という言葉を見聞きするようになって久しい。政府が唱える「働き方改革」の全容は、同一労働同一賃金や育児や介護と仕事の両立支援、転職・再就職支援など多岐にわたるが、その中でも大きな柱の1つは「長時間労働の是正」だ。

いささか粗っぽい式だが、総生産量=労働時間×人数×生産性とすると、労働力人口は、高齢者や女性、外国人労働者の労働参加増を見込んでなお、少子化・高齢化により減少していく。その中で一人当たりの労働時間は上記の理由で抑制されていくとなると、これまで通りの生産量を維持しようと思えば、どうやったって一人当たり生産性をあげるしかない理屈になる。この長時間労働の是正にはセットで労働生産性の向上が欠かせない。

 

今年度新設された雇用関係の助成金をみると、生産性要件(3年前と比較して労働生産性が一定割合以上伸びていること)を満たした場合に助成額あるいは助成率の割増を行うものも多い。また生産性の向上を謳い文句にした各種セミナーも盛んである。私自身も昨年あたりから、種々の企業や機関からこのテーマでのご相談や講演依頼を受けるようになった。社労士は人事労務管理の専門家として、労働生産性の向上において期待されていることも大きかろうと思う。

 

 肝心の社労士自身の生産性はどうなのだ?と問われれば、たいそう心もとない面もあるが、生産性向上の前提として、常に頭に置いているポイントを1つだけ述べておきたい。

 

それは、今行っている仕事が、「過去の仕事」「現在の仕事」「未来の仕事」のうち、どれに該当するかを常に考えるということである。もう少し正確に言えば、過去の仕事とは過去のための仕事という意味で、「それは、いつのために行っている仕事か」を意識するということになる。

その区分に客観的な定義はなく、あくまで主観的な判断となるが、私の場合は以下のようにタイプ分けしている。

 

  過去の仕事 ミスによる仕事のやり直しや各種の精算業務

  現在の仕事 現在の売上に直接貢献する仕事 

  未来の仕事 明日の飯を稼ぐための種まき マーケティングや情報の仕入れ

 

もちろん、2つのタイプが混じっている場合(例えば、現在の仕事でもあり未来の仕事でもある場合)もあるし、そもそも主観的な判断なので、同じ仕事でも、人によってあるいは時と場合によってとらえ方が異なるだろう。

過去の仕事は撲滅か最小化もしくはアウトソース、現在の仕事は効率化、未来の仕事は積極投資、が基本スタンスだと思っている。すべてのタイプの仕事に対して、何でもかんでも我武者羅に効率化を目指せばよいというものではなかろう。生産性を上げるのは、過去と現在の仕事においてだ。この2つを効率よく回し、そこで生み出された時間やエネルギーを未来への投資の仕事に回す。そもそも過去の仕事は気が滅入るが、未来の仕事はある意味楽しいものだ。

 

今自身が行っている仕事は、この3つの仕事のうちどれに当たるのか、過去の仕事はなぜなくならないか、現在の仕事のうち行う根拠が明確でない作業はないか、現在の仕事を未来の仕事と定義しなおすにはどうすればよいか、等を常に意識して仕事することが、業務効率化、生産性向上の第一歩になると思うのだが如何だろうか?

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